2013年01月30日

コーヒーの風味を保存するつくり方

風味を長続きさせる方法

前回書いたように、焙煎したコーヒー豆の風味成分は、だいたいが揮発性の有機化合物でした。 要するに芳香のもとというわけです。
ということは、温度の上昇や時間の経過とともに、コーヒーの液体から蒸発・気化してどんどん失われてしまうということになります。
いや、豆を挽いたときから、もっといえば、焙煎したときから、豊潤な芳香の有機化合物は揮発してどんどん減っていくことになります。とはいえ、熱水で淹れると、そういう有機化合物が水に滲出し溶け出るので、淹れたあとの減り方の方がずっと急速になるのですが。
とりわけ風味を落とすのは、淹れたのちの液体の温度による揮発と酸化です。

いずれにせよ、コーヒーの風味を楽しむためには、豆を焙煎して挽いてから煮出すまで、そして煮出してから、飲むまでの時間をできるかぎり短くする必要があるのです。煎る前の生豆だって、中身の成分が劣化・酸化・分解していくのです。
しかし、ある程度の量を毎日飲む人なら、生豆にしろ焙煎後の豆、挽いた後の豆にしろ、ある程度はまとめて買うことになります。
ある程度の分量を効率的にまとめてつくりたいと思う人もいるでしょう。

そこで、ずいぶん前(若い頃)に、アルバイトしていたコーヒー店のマスターのやり方を紹介します。
そのマスターは、早朝、焙煎後の豆を大量に挽きます。
そして、たぶん、長年の経験から割り出した「1日の店の販売量」の大半に相当する分をドリップして、濃縮コーヒー原液をつくるのです。小さい店でしたが、何十リットルにもなります。
それを2リットル以上も入る大きなガラス瓶につめて密封し、冷却してから冷蔵するのです。たぶん、10℃くらいでしょうか。家庭用の冷蔵庫でOKです。

で、必要に応じて、保存した原液を取り出して、湯で薄め、あるいは濃縮ミルクなどで割って撹拌して、来客に提供していました。ただし、保存して利用するのは、せいぜい1日半以内でしたが。

焙煎して挽いてからできるだけ短い時間のうちに淹れて、しかも温度の上昇や揮発を防ぐ方法で、なかなか気の利いた方法です。
もちろん、そのつど、必要量をこまめに淹れてすぐに飲むというのが、一番正しい方法なのですが。



posted by 田舎おやじ at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーのうまさ | 更新情報をチェックする

2013年01月28日

コーヒーの風味の要因

では、もう少し化学的な目でコーヒーの「うまさ」や風味の成分について調べてみましょう。
コーヒーの果実(豆)には、糖類(多糖質)や脂質、アミノ酸(タンパク質)、カフェインなどが含まれています。
このうち、カフェインは豆の重量のうちの1%にも満たないといいます。ですが、もしコーヒー豆カフェインがそっくり全部、人体に入ったら、健康にとって危険な分量になるそうです。
それで、コーヒー豆を焙煎すると、熱による化学変化が起きて、現在わかっているだけでも、1000種類くらいの化学物質が発生するとか。
カフェインもある程度は熱分解するようです(5~10%程度か)。

そのうち、コーヒーの芳香や風味をもたらすのは、焙煎で加熱分解されてできた低分子の糖質やアミノ酸、そのなかでも揮発性の有機化合物(炭水化合物)だといわれています。
風味の主な成分は、以下のとおり。
 ①糖蜜にような甘い香り
 ②コーヒー独特の匂い
 ③カラメルのような香気
 ④バニラ様の香り
 ⑤熱帯果物のような香り
 ⑥焙じたナッツの匂い
 ⑦煮しめた醤油のような匂い
コーヒーメイカーでドリップしたのちに加熱保温し続けると、いい匂いはあらかた飛んでしまって、⑦の煮しめた醤油のような異臭がしてくることがあります。

posted by 田舎おやじ at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーのうまさ | 更新情報をチェックする

2013年01月27日

コーヒーのおいしさの原因

さて、コーヒーのうまさの原因はどこにあるのでしょうか?
この疑問を追いかける前に、コーヒーに限らず、「食品や飲料のうまさ」はどこからくるのだろうか、というもと基本的な問題を考えてみましょう。
いや、ここで化学的に「うまみ成分」を考究してみようというのではありません。
そもそも人間は、どういう感覚の仕組みをつうじて「うまみ」「おいしさ」「味」「風味」を感じ取るのかという問題です。

以前、私の知り合いのパティシエ(洋菓子シェフ)がこんなことを言いました。
食べ物、とくに洋菓子のおいしさの大半は、食べ物の匂い・香り、つまり嗅覚を使って味わうことから感じ取るものなのだ、というのです。
試しに鼻を強くつまんで食べると、うまみを感じられなくなるというのです。
舌で感じるだけの味覚は、きわめて部分的・一面的なもので、香味=香りにかんする情報を脳が受容することで、ようやく味わい・風味を感じ取ることができるのだというわけです。
「甘さ」には、甘さの感覚を誘導する匂い・香りを加えて増幅したときに、はじめて人間の脳は十全に「甘み(のうまさ)」を受け取ることができるのです。

香り、匂いを大切にしている飲み物、コーヒーやココア、リキュールなどについては、とくに舌の嗅覚に加えて嗅覚が風味の良さ、おいしさを左右する決定的ともいえる要因なのだということです。

posted by 田舎おやじ at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーのうまさ | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。