2013年02月06日

イスラム世界でのコーヒーの普及

前の記事で、スーフィの寺院でコーヒー豆を焙煎して飲料とする方法が開発されたらしいと述べました。
でも、北アフリカやアラビア、中東のそのほかのところでも、コーヒー豆を煎って煮出す方法は編み出されたようです。
というのも、イスラム教では飲酒が厳しく禁じられていたからです。
あの葡萄も、ワイン用の葡萄の栽培は禁じられていて、生食用つまり果物として食べる非常に美味な葡萄の育種や品種改良が進められくらいです。おかげで、その後、アレクサンドリアやマスカットなどのおいしい葡萄が生まれることになりましたが。

そういうわけで、アルコール飲料に代えて飲みながら心を安らげたり、食事のときに嗜んだり、パーティで楽しんだりするための飲み物が、人びとから切実に求められていました。

そんなニーズにとって、アロマをともなうコーヒーはうってつけの飲み物でした。開発されると、またたく間にアラビア世界全体に広がっていきました。15世紀頃のことだといわれています。
とはいえ、カフェイン濃度が高いと強い覚醒作用をもたらし、心臓の脈拍を変えたり、血圧を変えたりする薬効作用がありましたから、イスラム法学者のあいだには、民衆の飲用を戒めようとする人たちもいたようです。
けれども、警戒の本当の狙いは、居酒屋のように民衆が集まる場所でコーヒーを飲むと、統治者(太守や王侯、高位の法学者など)を批判する傾向が出そうだったからのようです。多数の人々が集まって政治談議して、統治者を批判するのが困るというわけです。
しかし、その頃の(ローマ教会の狭い神学的世界観に縛られたヨーロッパとは対照的に)イスラムは世界最先端の科学や文化を誇る、きわめて開けた社会でしたから、コーヒーはあっというまに民衆の生活に浸透してしまいました。



posted by 田舎おやじ at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーの歴史 | 更新情報をチェックする
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