では、もう少し化学的な目でコーヒーの「うまさ」や風味の成分について調べてみましょう。
コーヒーの果実(豆)には、糖類(多糖質)や脂質、アミノ酸(タンパク質)、カフェインなどが含まれています。
このうち、カフェインは豆の重量のうちの1%にも満たないといいます。ですが、もしコーヒー豆カフェインがそっくり全部、人体に入ったら、健康にとって危険な分量になるそうです。
それで、コーヒー豆を焙煎すると、熱による化学変化が起きて、現在わかっているだけでも、1000種類くらいの化学物質が発生するとか。
カフェインもある程度は熱分解するようです(5~10%程度か)。
そのうち、コーヒーの芳香や風味をもたらすのは、焙煎で加熱分解されてできた低分子の糖質やアミノ酸、そのなかでも揮発性の有機化合物(炭水化合物)だといわれています。
風味の主な成分は、以下のとおり。
①糖蜜にような甘い香り
②コーヒー独特の匂い
③カラメルのような香気
④バニラ様の香り
⑤熱帯果物のような香り
⑥焙じたナッツの匂い
⑦煮しめた醤油のような匂い
コーヒーメイカーでドリップしたのちに加熱保温し続けると、いい匂いはあらかた飛んでしまって、⑦の煮しめた醤油のような異臭がしてくることがあります。
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